電力会社を自由に選択できる消費者

夜の街並み

大手工場やオフィスビル等で使用する特別高圧電力の自由化が2000年に導入されてから16年後に漸く一般消費者向け小売りの電力自由化が実施されました。それ以来、3年半余りが経過し、新電力会社の登録も400社を超えて尚、増加しているとの報道が出ています。消費者向けの電力自由化が始まると業種としては社内に自前の発電設備を稼働させている鉄鋼メーカーや石油精製業等の企業の他に商社や通信等の企業が幅広く参入してきました。もちろん、太陽光や風力等、再生可能エネルギーを使う新電力会社が各地で立ち上がってきたことも報道されています。電力自由化以前、消費者は地域独占の電力会社からしか電力を購入できなかったわけですが、自由化後は自由に電力会社を選べるようになりました。従って、電力会社は自由な販売競争に突入したので、夫々、新メニューを用意して顧客獲得の攻防に懸命になっています。特に、後発組の参入企業は家庭の電力消費パターンに合わせた料金メニューを用意したり、自社商品との抱き合わせ割引販売等、サービスに努めていたりします。こうして、新電力会社に乗り換える顧客が着実に増えている報道も出ています。但し、小口の消費者向け販売シェアはまだ10%に達していないので消費者にとって新電力会社が安心できる供給先になるには時間がかかりそうです。やはり、消費者としては生活のプラットフォームに相当する電力をどこの供給先に代えても常に安定して供給してくれるか、不安を持っているということでしょう。

料金次第で益々伸びる新電力会社のシェア

電力自由化

なお、新規参入してきた後発組のシェアが10%に満たないとはいえ、電力市場では元々あった10電力独占企業とのシェア争いが起こっていることは確かでしょう。電力市場規模が7兆円を超える巨大市場ですから、どこの業界でも電力自由化後はこの巨大な市場に参入したいと考えていることでしょう。しかしながら、今のところサービスメニューがそれほど多くないため、事前に期待していたほど料金単価が下がっていないとの声が消費者の間で出ているようです。

顧客獲得競争が徐々に進む電力小売り市場

電卓とコンセント

これは経営体力の異なる多業種が参入し、夫々、火力、原子力、或いは新エネルギー、その他、発電システムが異なっているためでもあるようです。従って、各社の発電単価の違いや発電能力の違いが大きいので、料金体系として料金下落傾向が浸透するにはなお時間がかかると見込まれています。なお、今後、電力自由化によって価格競争が過度に進むと電力販売事業が立ち行かなくなって他の一般的な商品同様に販売停止、言い換えると電力の供給停止に陥る可能性も出てくると言われています。万一、そうした事態が生じたら電力業界全体で電力供給を維持することは約束されているはずです。

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